僕はパーマカルチャーセンタージャパン(PCCJ)に2018年4月16日〜22日までの1週間滞在して、多くの体験をさせてもらった。その体験と感想を自分なりにまとめてみた。
僕が体験したこと
- 設楽さんの自宅隣にある開放キッズスペースの柵作り
- 草刈り&積層マルチ(刈った草や落ち葉を苗の周りに敷くこと)
- 人が通る畑道におがくずをまく(畑への栄養とエッジ効果)
- ネギの植え替え(ネギ科の植物は虫を寄せ付けない)
- トウモロコシとレタスの苗植え
- 地域のビオ市に行く
- 設楽さんの講座に参加
「作物を育てるんじゃなくて、作物が育つ環境を用意する」
設楽さんは「作物を育てるんじゃなくて、作物が育つ環境を用意する」とよく言う。僕は保育士をしていたので、まさにその環境化においても同じであった。子どもを育てるというよりも、子どもが順序良く発達を遂げられるような環境を用意するだけだ。僕たちにできるのはそれと、ただ子どもを信じるだけだ。
保育士をしていた時、常に考えていたのは“子どもから自分の存在をなくすこと”だった。「先生、あ、いたの?」くらいが丁度いい。ただ、子どもが困った時に自分の顔が少しでも浮かんでくるくらいの距離を保つという理想を追い求めていた気がする。
大人は子どもを育てるのでなく、子どもが育つ環境を用意するのだ!
と改めて感じた。
卵型
パーマカルチャーの考え方が、子育てとの共通点が多いというのはとてつもない発見であった。また、卵型というのは、命が生きやすい場所なのだとか。パーマカルチャーのロゴも、卵をイメージしているようだ。
そういえば植物の種もそうだが、人間の胎児も卵型の場所で育つ。そして、子どもは丸みを帯びたものが好きだ。なんか不思議。
パーマカルチャーの完成
パーマカルチャー養成講座によって、多くのパーマカルチャー指導者を輩出してきた設楽さんは「最近、(門下生が)私に耳を貸さなくなってきている。しかし、それが一つのパーマカルチャーの完成した姿なのかもしれない。」と語っていた。なんとなく、深いなぁと思った。設楽さんの、寂しさと喜びが入り混じった表情が目に飛び込んできた。
設楽さんと子育て
ある日の夕方、設楽さんは僕を近くの「藤野やまなみ温泉」に誘ってくれた。地域の方限定で使えるチケットを頂いて温泉に浸かる。この上ない至福の時であった。僕は温泉が好きなので…。
温泉から出た後、食堂で夕食を食べ、設楽さんは息子さんとたわむれながら「今は〇〇(息子さん)との時間が一番楽しいんだよな〜」と子煩悩が頭から飛び出たような表情で言っていた。
パーマカルチャーも、子育てには敵わなかったようだ。
なんでだろう。子育てを楽しんでいる人を見ると、生きていてよかったなぁって思う。自分も親からそのように思われていたと感じるからだろうか。
モアモア教からタルタル教へ
設楽さんが、「モアモア教からタルタル教へ信心を移す時が来た」と冗談交じりに話していたことを思い出す。もっともっと(more more)という生き方よりも、古来の「足るを知る」という考え方への移行である。僕の好きな言葉にも「我唯足を知る」という言葉がある。
僕は、これが豊かさの根元であると信じている。
将来作りたいと思っているコミュニティの名前も、「ただたる村」にしたいと勝手に思い描いている。地域の子どもたちがなんとなく「たるたる村」と言って浸透すればいいなぁと変なところまで想像しているくらい、大きな夢へのきっかけともなる貴重な体験であった。
2018年の8月に、今年のパーマカルチャーデザインコースも始まるとのこと。内容を見てみると非常に盛りだくさん!僕も受けてみたかった…。富士エコパークビレッジにも行ってみたい。やりたいことがたくさんあるって幸せ。
受講を考えている方はこちらへ。
この前訪れた廃材エコヴィレッジもそうであったが、エコロジカルでアートな「藤野」という土地。昔の意思を受け継ぎ、自然の声を聞いて、今を自らの手で作りあげようとする人で溢れていた。そんな藤野コミュニティに、また訪れたいと思った。
設楽さんをはじめ、お世話になった藤野の方々、本当にありがとうございました!
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