オーロヴィルはつくづく面白い。
オーロヴィル内にある「SVARAM」という施設は、まさに「音」に特化した場所。音という無限な広がりを信じて、それで遊んでいる施設であった。
この施設もそうだが、とことん何かを追求している。こだわり通している感じ。
自分や他者の、面倒で理解できなかった「こだわり」というものが面白く感じられるようになれば、新しい価値観を得られる。そんなことを、SVARAMは教えてくれる。
現在も研究は行われていて、次々に新しい楽器を発明している。このヒーリングベッドやサウンドストーンも、このSVARAMが生み出した。
ここでは、実際にその“音”で遊ぶことができる。使い方を真似しながら僕もやってみる。
これまで見たことも聞いたことのない音や響き。
全てに共通していたのは、「耳だけでなく体で感じる音」であったことだ。
「音」が「振動」であることが体感できた。
それは、体験でしか得ることができない本物の気づき。
ヒーリングベッドのように、音が人の癒しとなっている視点から、その振動によって治療という側面に目を向けていくなど、音の可能性がこんなにも広いことを知った。
どこかで、音は演奏するものというレッテルがあったのだが、自発的で自由な演奏の前に、きっと「楽しいリスニング」があるのだと思う。
そして、やはり常識をくつがえしてくる。
このサウンドウィングスという楽器は、叩いて音を鳴らした後、自分の体の目で大きく回転させたり、スウィングさせることで、波のような強弱とともに音のうねりのようなものを感じることができる楽器だ。体の前や頭の上で振り回す楽器なんて見たことない。
それも、音の可能性を信じているからこそなのだろう。
きっと、教育も同じだろうなぁと思った。
森が奏でる音と調和するかのような音が、ここには響き渡っていた。