エコビレッジ

オーロヴィル Buddha Gardenでの暮らし

 

僕はオーロヴィルに1ヶ月滞在して、2つのコミュニティに参加した。1つが Sadhana Forest(サダナフォレスト)。そしてもう1つが、この Buddha Garden(ブッダガーデン)だ。

 

泊まった宿

 

洗濯

 

サダナフォレストに比べると非常にゆる〜く、6:00〜9:00の3時間仕事をして、あとはフリーといったコミュニティであった。そのため、スタッフの何人かは他と掛け持ちしていた。

 

 

ということで、午前中働いてその後はオーロヴィル内を散策することができる。1日250ルピー(1日1食提供)という破格の値段で、ブッダガーデンの農作業・宿泊・現地の暮らし体験・オーロヴィル探検ができる、とても素敵な場所だ。ちなみに、サダナフォレストは1日500ルピー(1日3食提供)であった。

 

 

この場所は、僕がオーロヴィルに行く前にコンタクト取らせていただいた小川美農里さんが、数年滞在した場所でもある。

代表のプリヤやスタッフ長のラジャンは、とてつもない良い人であった。日本人の評価がとても高く、とても親切にしてくれた。これも、前例を作ってくれた美農里さんのおかげだと思う。

 

左から:ラジャン・しきちゃん・ちかこちゃん・プリヤ・僕

 

僕が滞在していた時、偶然日本人の女性2人と一緒になり、所々通訳をしてもらって楽しい毎日を過ごすことができた。ちかこちゃんとしきちゃんには、本当に感謝している。

僕は、このブッダガーデンにボランティアとして10日滞在しながら、農作業に励んだ。

 

 

作業は、基本的に除草・コンポスト・畑の整備といったもの。朝のミーティングの際に、ラジャンが各々に仕事を振り分けて、数人のグループで作業する。

 

 

9:00に仕事が終わり、その後みんなで朝食をとる。その朝食も、南インドの家庭料理なのでインド文化を感じることができた。どれも美味しかったが、どうしてこの緑の料理だけは僕の口には合わなかった。隣では「え、美味しくないですか?」とちかこちゃんが笑顔で食べていた。

 

 

2000年にプリヤが始めたこのブッダガーデンは、今でこそ自然エネルギーや自然に基づく植物栽培が形作られているが、始めは失敗の連続であったそうだ。その成り立ちから現在にいたるまでが本にもなっている。

 

 

 

プリヤはプラスティックに敏感であった。

苗を支える支柱作りをしている時、スタッフの1人が余っていたプラスティック紐でそれを作ろうとした。それを見たプリヤは「お〜これはプラスチックじゃないの〜。別の素材のもので代用できないかしら?」といった感じに話していた。

 

プラスティックは自然にかえらない。

そのプラスティック紐はいたるところが剥がれかかっていて、その一部が土に落ちて堆肥に混ざってしまう。

基本的なことなのだが、地球との共生や循環を考えた上で、こういった日常の小さな気づきや思考はとても大切なものであることを改めて教えてくれた。

作業はやり直しとなったわけだが、なんとなく、気持ちの良いやり直しであった。

この出来事をプリヤは映像として残していた。その映像はこちら

 

また、プリヤは近くの学校の特別教授として携わっていて、その学校のガーデン作りに一役買っている。その場に僕も同行させてもらい、ブッダガーデンで作られた堆肥をバイクで運んだ。楽しそうに会話をしながら堆肥を敷いたり、レンガで縁作りをしている学生。彼らは16歳。彼らが大人になり、自分の家の前に菜園を作ろうと思った時にきっとこの作業を思い出すだろう。

 

自分が経てきた経験を次世代に伝え活かす。ブッダガーデンの作業では、朽ちた葉の堆肥(コンポスト)をいくつもの苗木や樹木の下に撒いた。それも同じようなことのように感じた。葉は枯れてもなお、土地を温め養分となり、水の吸収を調節して次なる作物の成長を助ける。

 

 

自然の原理を知れば知るほど、理にかなっていることがわかる。

そう。自然は全てちょうどいいのだ。

きっと人間も、自然(ナチュラル)であれば全てがちょうどいい。

その「自然」というものが見えにくくなっている時には、きっと農が助けてくれるのだろう。そんなことを思いながらする草むしりは、なんだか特別であった。

 

 

ブッタガーデンでは、バナナ・パパイヤ・マンゴー・カシュー・オクラ・トウモロコシ・バジル・カラスウリなどが育てられていた。それらは、出荷されることもあれば、朝食の材料ともなる。

 

 

一度、オクラを収穫した際、出荷できるものとできないものとの分け方を教えてもらった。たくさん収穫できたと思ったら、出荷できるのはその3割程度であった。それ以外は大きすぎなもの、時期が過ぎてしまったもので、出荷には向かないとのこと。

 

ポキっと折れないものは出荷できない

 

スーパーなどで世の中に出回っている作物はほんの一部なのだということに、実体験として感じることができた。朝食で出てきた規格外のオクラを、いつも以上に噛みしめる自分がいた。

 

 

ブッダガーデンには、多くの人にここの試みを知ってもらうための工夫があった。

それが、音声ガイドシステム。

 

 

ガーデンの中を、音声が案内してくれるのだ。プリヤの音声が、目の前にある作物やシステムがどのようになっているのかなどを説明してくれる。水の循環システム、土にも種類があり、様々な素材を混ぜていること、この場所の畑は実験用して作られていること、コンポストにするために雑草を育てているなど、全てが考えられたデザインであることがわかった。

 

作物の能力を最大限に活かす自然なデザインが、きっと美しいデザインなのだろう。

 

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